誤用の多い言葉で「役不足」があります。意味の捉え方によっては、真逆になります。
反対語は「力不足」ですが、意味の違いや反対語、類語となぜ誤用するのか調べました。
役不足と力不足の意味の間違い
「役不足」と反対語である「力不足」の意味のの間違いが多いのですが、違いをそれぞれ詳しく見てみましょう。
役不足の意味の間違い
役不足の意味を辞書で見てみると
①演ずる俳優が与えられた役に不満を抱くこと
②能力など力量に比べて、役目が軽すぎること。
「役不足」とは、その人の能力に対して,与えられた役や役目が軽すぎることを言う言葉です。
役不足の語源は歌舞伎から
余談ですが、「役不足」の語源は、江戸時代、歌舞伎の世界で生まれた言葉のようです。
大看板役者に目立たない役を与えたときに、この配役では「役不足だ」と不満を言ったり、心配した用語です。
力不足の意味の間違い
力不足の意味は、
努力や能力など力量が不足していて、役目に見合わないこと
与えられた役目を果たすだけの力量がないこと
です。
役不足と力不足の違い(まとめ)
「役不足」と「力不足」は両方とも 名詞であり形容動詞(単独で述語になる)です。
役不足と力不足は真逆の言葉です。
簡単に意味の違いを説明すると
能力があるのに、見合わない場合が「役不足」
能力が不足してて、果たせないのが「力不足」
ということです。
役不足と力不足の正しい表現
「役不足」と「力不足」の正しい表現を紹介します。
「役不足」と「力不足」の用途、使い方の違いを見てみると正しい表現ができます。
役不足・・・物足りないときに使い、不満や心配するときに多く使われる用語です。
力不足・・・力が足りないときに使い、謙遜や断るときに多く使われる用語です。
役不足 力不足の言い換え(類語)
「役不足」と「力不足」の言い換え(類語)た場合はどのような表現となるのでしょうか。
役不足の言い換え(類語)
役不足の類語は、朝飯前(あさめしまえ)、楽勝(らくしょう) などです。
力不足の言い換え(類語)
不適任、荷が重い
能力不足、実力不足、技能不足、力足らず、力が不十分、未熟、経験不足
などでしょうか
役不足の誤用の理由
役不足の誤用が多いのはなぜか理由を調べました。
「役不足」という漢字だけを見ると、役や役目が不足しているというよりは、役者が不足していると捉えてしまうからでしょう。
つまり「役」という漢字が、役者-人の能力の不足に繋がってしまったということです。
反対に力不足は、単純に力が不足しているというのが漢字から伝わります。
まとめ
「役不足」の誤用について、は本当に多くの人が認識違いをしているよう。誤用している認識の調査である文化庁「言葉のQ&A」「国語に関する世論調査」では、本来の意味を理解している人は、40.3%(H18年)です。
このように半分以下の方が意味を取り違えるということは、
実際に「役不足」は、間違って使っているか、間違って受け取る可能性が半分以上はあるわけで、確かめないと正しいコミニュケーション(会話)ができないように思います。
本来の意味を理解していない誤用が多く使われる「役不足」については、正直使いたくないのが本音です。